A7050とは何か?高強度アルミ合金の用途と超硬工具の選び方
自動車部品など、高い強度と軽量性が求められる分野で注目されているのが「A7050」というアルミ合金で...
ダイジェット工業株式会社
アルミ合金の中でも汎用性が高く、航空・自動車・金型業界をはじめ幅広い分野で活用されているのが「A6061」です。
適度な強度と加工性、耐食性を兼ね備えているA6061は、多様な製品の材料選定で比較されることが多い素材のひとつです。
しかし、A6061を用いた加工では、適切な材料特性の理解と最適な切削工具の選定を誤ると、仕上がり品質や生産性に大きな差が出てしまいます。
本記事では、「A6061とは何か」の基本から、類似材との違い、活用例、加工ポイント、そして高効率な加工に欠かせないダイジェット工業の超硬工具活用のコツまで、失敗しない材料選定の視点でわかりやすく解説していきます。
A6061とは、アルミニウムにマグネシウム(Mg)とシリコン(Si)を主成分として添加した6000系アルミ合金の代表的な素材です。
比較的扱いやすい材料で、適度な強度と耐食性、溶接性や加工性をバランス良く兼ね備えていることから、汎用性の高い合金として多くの分野で活用されています。特に自動車部品、航空機部材、金型や機械構造材など、軽量化と強度の両立が求められる用途で採用されています。
A6061とよく比較されるのがA6063です。A6063は押出性に優れ、建築用のアルミサッシなどに多用されるのに対し、A6061は機械構造用に強度と加工性のバランスが取れているため、構造材や機械部品での使用が多いのが特徴です。
また、7075のような超々ジュラルミンに比べると強度はやや劣るものの、コストや加工性、耐食性の点で扱いやすく、多様な用途に適応できる点が強みです。
A6061は引張強度が約260〜310MPa程度で、耐食性にも優れていることから屋外や湿度の高い環境でも使用できます。
また、溶接後の強度低下が比較的少なく、溶接性が良い点も設計上のメリットです。これらの特性により、複雑な形状の構造部材やフレームにも幅広く活用されています。
A6061の性能をさらに引き出すためには、熱処理(T6処理など)が重要です。T6処理を施すことで析出硬化により強度が高まり、加工後の耐久性が向上します。
一方で熱処理条件を誤ると硬さにムラが生じ、切削時の工具摩耗やバリ発生の原因となることもあるため、適切な管理が必要です。
A6061はその特性から、航空機のフレーム材や小型部品、自動車のサスペンション部品やフレーム補強材などで採用されています。軽量化と一定の強度が同時に求められる場面で特に効果を発揮し、燃費向上や構造性能の最適化に寄与しています。
金型の治具部材や機械構造材としてもA6061は活用されています。複雑形状への加工がしやすく、耐食性があるため、切削後の後処理も比較的簡単です。近年ではEV関連部品の製造にも使用される機会が増えており、軽量高剛性部材の需要拡大が期待されています。
A6061は加工性に優れる一方で、切削条件が不適切だとバリの発生や工具の早期摩耗を招くことがあります。特に硬度ムラのある素材や、熱処理後の硬化材を加工する際には、工具に負荷がかかりやすく、仕上がり精度が安定しないことも。
加工効率を高めるには、工具の材質や形状だけでなく、切削速度・送り量・切り込み量を最適化することが大切です。チップ排出性に優れた形状の超硬工具を選ぶことで、切りくず詰まりを防ぎ、加工面の品質を安定させることができます。
A6061の加工では、耐摩耗性が高く熱伝導性にも優れた超硬工具の使用が特に有効です。工具の摩耗を抑えることで、再研磨や工具交換の頻度が減り、トータルの生産コスト削減と品質安定化が可能になります。
ダイジェット工業では、航空・自動車・金型業界に最適化された高精度・高効率な切削を実現する超硬工具・切削工具を多数取り揃えています。耐摩耗性を追求した独自の超硬材と高性能コーティング技術により、A6061のような汎用性の高いアルミ合金でも安定した切削性能を発揮します。
詳細は公式サイト(https://www.dijet-tool.com/にて最新ラインナップをご覧ください。
ダイジェット工業では、営業担当者様が顧客に最適な提案をできるよう、素材特性に応じた加工条件のノウハウ提供や最適工具の選定サポートを行っています。豊富な加工事例や技術資料を活用し、ぜひ失敗しない材料選定と高効率加工を実現してください。
A6061は、強度・加工性・耐食性をバランス良く兼ね備えた汎用性の高いアルミ合金です。しかし、失敗しない材料選定と安定した生産性を実現するためには、特性の正しい理解と最適な超硬工具の活用が不可欠です。ダイジェット工業の超硬工具と技術力を活かし、営業担当者様の提案力強化につなげてください。